このページの要点
- 協議離婚では、親権者を協議で「双方または一方」と定める(民法819条1項)。協議書の定めは家庭裁判所の判断に優先しない。
- 共同親権でも、日常の行為や急迫の事情は単独でできる(民法824条の2)。重要な事項の範囲は、協議書に夫婦で線引きして書く。
- 監護をすべき者・居所は別に定める(民法766条1項)。子が主として生活する家と、居所の変更の知らせ方を書く。
- 協議がまとまらない、暴力等のおそれがあるなどの場合は、家庭裁判所の手続がある(民法819条5項・7項)。協議書だけで決めることを前提にしない。
結論:親権者は協議で「双方または一方」と定める。書いた内容は、家庭裁判所の判断に優先しない
未成年の子がいる夫婦が協議離婚をするときは、その協議で、父母の双方または一方を親権者と定めます(民法819条1項)。2026年4月に施行された民法等の改正によって、協議離婚でも、父母の双方を親権者とする(共同親権)かどうかを、協議で選べることが条文に表れています。改正前は、離婚後は父母の一方だけが親権者になる単独親権のみでしたので、協議書に「双方」と書く選択肢そのものが新しくなっています。
ただし、協議書にどう書いても、それが家庭裁判所の判断に優先するわけではありません。協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、家庭裁判所が、父または母の請求によって協議に代わる審判をすることができます(民法819条5項)。親権者を定めたあとでも、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子またはその親族の請求によって親権者を変更することができ(同条6項)、その判断にあたっては、協議の経過や、協議の結果についての公正証書の作成の有無なども勘案するものとされています(同条8項)。協議書は、親権の定めの「出発点」にはなっても、動かせない決まりにはなりません。
このページでは、親権の定め方と、共同親権を選ぶ場合に協議書へ何を書いておくと運用しやすいかを、条文に沿って整理します。離婚届に親権者を記載する手続は離婚届・氏・戸籍のページ、養育費は養育費の決め方のページ、面会交流は面会交流のページで、それぞれ別に扱います。なお、法務省令や運用の通達などの細部、および改正前に離婚した場合の経過措置の扱いは、条文と所管官庁の資料で確認が必要で、このページでは断定しません。
親権と監護:言葉を分けて考える
協議書の親権の条項で最初に迷うのは、「親権」と「監護」の関係です。条文の上では、次のように役割が分かれています。
親権・監護に関わる主な条文
民法818条
親権は、成年に達しない子について、その子の利益のために行使しなければならない。父母の婚姻中は双方が親権者となる。
民法819条1項
父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、双方または一方を親権者と定める。
民法820条
親権を行う者は、子の利益のために子の監護および教育をする権利を有し、義務を負う。
民法821条
親権を行う者は、監護および教育にあたって、子の人格を尊重し、年齢と発達の程度に配慮しなければならず、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。
民法822条
子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。
民法824条の2
親権は父母が共同して行う。ただし、一方のみが親権者であるとき、他方が親権を行うことができないとき、子の利益のため急迫の事情があるときは、一方が行う。監護および教育に関する日常の行為は、双方が親権者でも単独でできる。
民法766条1項
協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者または子の監護の分掌、父または母と子との交流、子の監護に要する費用の分担などを協議で定める。子の利益を最も優先して考慮する。
民法817条の12
父母は、子の心身の健全な発達を図るため、子の人格を尊重して養育し、子が自己と同程度の生活を維持できるよう扶養する。婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使や義務の履行に関して、互いに人格を尊重し協力しなければならない。
条文は e-Gov法令検索(法令API)で、現行の規定の趣旨を確認しています。施行前に離婚した場合の経過措置は、附則と所管官庁の資料で確認が必要です。
整理すると、「親権者」は、子の監護および教育に関する権利義務を中心とした、親としての法的な地位です。これに対して、「監護をすべき者」は、民法766条1項で協議離婚の際に定める事項の一つで、子の日々の世話や生活の場を担う者を指します。親権者と監護者を別の人にする定めも、条文の上では想定されています。ただし、親権者と監護者を分けると、子に関する決定と日常の世話が別の人に分かれて、運用が複雑になりやすい面があります。協議書に書くときは、役割分担を具体的に書いて、誰が何をするのかを読み取れるようにします。
単独親権か、共同親権か:決めるときに考える点
協議で親権を定めるとき、単独親権にするか、共同親権にするかは、夫婦の合意で決めます。条文は、どちらを選ぶべきかの結論を与えておらず、家庭裁判所が判断する場合の基準だけを定めています。
単独親権と共同親権の比べ方(条文上の整理)
| 比べる点 | 単独親権(一方のみ) | 共同親権(双方) |
|---|---|---|
| 親権の行使 | 親権者が単独で行う(民法824条の2第1項ただし書1号)。 | 父母が共同して行う(同条1項本文)。ただし日常の行為、急迫の事情などは単独で行える。 |
| 重要な事項の決定 | 親権者が決める。 | 父母の協議が必要。協議が調わないときは家庭裁判所が、特定の事項について一方が単独で行うことを定め得る(同条3項)。 |
| 日常の監護・教育 | 親権者(または監護者)が行う。 | 双方が単独で行える(同条2項)。 |
| 協議書に書く事項 | 親権者の氏名と、監護の態様。非親権者との交流や費用分担。 | 重要な事項の範囲、協議の方法、意見が分かれたときの手続、連絡の方法、監護者を定めるか。 |
| 家庭裁判所が判断する場合 | 双方か一方かを、子の利益の観点から判断する(同法819条7項)。 | 同じ。ただし一方としなければならない場合がある。 |
家庭裁判所が親権者を定める場合の基準は、民法819条7項に書かれています。裁判所は、父母の双方を親権者と定めるか、一方を親権者と定めるかを判断するにあたっては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければなりません。そのうえで、次の場合には、父母の一方を親権者と定めなければなりません。
- 父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき。
- 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動(暴力等)を受けるおそれの有無、協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき。
- そのほか、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるとき。
この基準は、家庭裁判所が判断する場面に関する規定です。夫婦が協議で定める場面そのものの基準ではありませんが、協議のときにも参考になります。たとえば、父母の間に、暴力等のおそれがあるなど共同して親権を行うことが難しい事情がある場合に、そうした事情を考慮せずに「双方」と書いてしまうと、運用が成り立たなくなるおそれがあります。反対に、事情がないのに一方のみとするときは、他方の親が子の重要な決定に関われなくなるという点を、夫婦で確認しておく必要があります。
また、民法819条8項は、父母の協議により定められた親権者を変更することが子の利益のため必要であるかを判断するときの考慮事項を定めています。協議の経過を考慮するにあたっては、暴力等の有無、調停などの利用の有無、協議の結果についての公正証書の作成の有無などをあわせて勘案するものとされています。協議のやり方や形が、後の変更の判断で考慮される、という点に注意が必要です。
共同親権とするとき、協議書に書いておきたいこと
共同親権では、親権は父母が共同して行うのが原則ですが(民法824条の2第1項本文)、すべてを二人で決めるわけではありません。条文は、三つの場合に単独で行えるとしています。
- 日常の行為:監護および教育に関する日常の行為に係る親権の行使は、父母の双方が親権者であっても、単独でできます(同条2項)。
- 急迫の事情:子の利益のため急迫の事情があるときは、一方が行います(同条1項ただし書3号)。
- 協議が調わない場合に家庭裁判所が定めた事項:特定の事項に係る親権の行使について、父母間に協議が調わない場合であって、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、父または母の請求により、その事項の親権の行使を一方が単独ですることができる旨を定めることができます(同条3項)。
問題は、「日常の行為」と、それ以外の重要な事項の境目が、条文に列挙されていない点です。どこまでが日常の行為で、どこからが父母の協議を要する事項か、という範囲は、条文だけでは決まらず、所管官庁の資料や運用で確認が必要です。そのため、協議書で、夫婦自身が運用上の線引きを書いておくと、後の食い違いが減ります。
共同親権とするときの協議書の項目例
協議する事項の範囲
進学先の選択、転居を伴う居所の変更、手術などの医療、旅券の申請など、夫婦間で協議して決める事項を書く。
民法824条の2第1項
日常の行為の範囲
日々の食事、通院、学校行事への参加、習い事の送迎など、単独で行える事項を書く。
同条2項
協議の方法
連絡の手段、返答の期限、書面やメッセージで残すこと。
意見が分かれたとき
調停の利用、第三者機関の利用など、次に進む手順。家庭裁判所が単独行使を定める手続もある。
同条3項
急迫の事情があるとき
緊急の医療などで一方が先に動いたとき、事後に速やかに知らせること。
同条1項ただし書3号
居所と住民票
子が生活の本拠とする場所、変更するときの事前の知らせ方。
民法822条
子の意見の聴き方
年齢に応じて、重要な事項の決定の前に子の意見を聴くこと。
民法821条
連絡先と情報の共有
学校・医療機関からの連絡、成績や健康状態の共有の方法。
民法817条の12第2項
「範囲の例」は、夫婦が自分たちの運用として決める項目の例であり、条文が定める範囲そのものではありません。
書き方の例(一般的な例) 共同親権の協議書の書き方
重要な事項の決定
理由「共同して行う」だけでは、日常の行為まで二人の合意が必要に読まれ、反対に重要な事項を一方が単独で決めても差し支えないとも読まれます。条文上は日常の行為は単独でできるので、書面でも、その線を示します。
意見が分かれたとき
理由「誠意をもって話し合う」だけでは、話し合いが止まったときの行き先がありません。調停などの次の手順を書き、協議中の扱いも決めておきます。
監護者・居所・生活の場の書き方
共同親権とするか単独親権とするかとは別に、子が日常的にどちらの親のもとで生活するかを決める必要があります。民法766条1項は、協議離婚のときに、子の監護をすべき者または子の監護の分掌を協議で定めると規定します。親権が共同でも、子が実際に暮らす家は一つであることが多いので、「主として監護する親」を定めるのが一般的です。
書き方としては、まず、子の生活の本拠(居所)がどちらにあるかを明記します。親権を共同とする場合、居所の変更は、子の生活環境が大きく変わる事項なので、事前の協議の対象にする例が多く見られます。民法822条は、子は親権を行う者が指定した場所に居所を定めなければならないと定めており、親権を共同して行う場合に居所の指定がどう扱われるかは、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。そのうえで、協議書では、居所の変更の場合の事前の知らせ方と、協議の期間を書いておくと運用しやすくなります。
子と別居する親が、子の学校行事への参加や、医療機関・学校からの情報の共有を求めたい場合は、その方法も書きます。これは面会交流の取り決めとも重なりますが、面会は「会うこと」、情報の共有は「知ること」であり、別の項目として整理します。面会交流の具体的な書き方は、面会交流のページで説明します。
確認の問い監護と居所について、決めておく問い
子が主として生活する家は、どちらの親のもとか。
養育費の支払、学区、児童に関する給付の手続など、多くのことが「主として監護する親」を前提に動きます。曖昧にすると、手続の窓口でどちらが申請するのかが決まりません。
居所を変えるとき、いつまでに、どのように相手へ知らせるか。
転居によって面会の方法や学校が変わるため、事前に知らせる期間を書いておきます。
学校や医療機関への届出で、親のどちらの名義を使うか。
共同親権でも、窓口に届け出る連絡先は一つのことが多いので、実際の運用を決めておきます。
子の意見はどの場面で、どう聴くか。
子の年齢や発達の程度に応じて、重要な決定の前に意見を聴く旨を書くと、民法821条の趣旨にも沿います。
条文例第○条(親権及び監護)
- 甲及び乙は、子の親権者を、甲及び乙の双方とする。
- 子の監護は、主として乙が行い、子の居所は乙の住所とする。乙は、子の居所を変更しようとするときは、変更の○日前までに甲に通知する。
- 進学先の選択、手術を伴う医療その他子の人生に大きな影響を与える事項は、甲及び乙が協議して定める。監護及び教育に関する日常の行為は、それぞれが単独で行うことができる。
- 前項の協議が調わないときは、甲及び乙は、家庭裁判所の調停を申し立てることができる。子の利益のため急迫の事情があるときは、一方が単独で行い、速やかに他方に知らせる。
共同親権とする場合の書き方の一例です。主として監護する親、居所の変更の通知、重要な事項の協議、意見が分かれたときの手順、急迫の事情の扱いを一つの条にまとめています。期間の数字は例で、夫婦の事情に合わせて決めます。
親権の事前合意と、協議書の効力の限界
協議書の親権条項は、離婚の際の協議の結果として書くものです。離婚を決めていない段階で、将来の離婚に備えて親権者をあらかじめ書いておく書面については、別のガイドで効力の限界を扱います。ここでは、離婚時に協議で定める場合に限って説明します。
離婚時の協議で決めた親権者でも、効力は固定ではありません。次の点を押さえておきます。
- 協議が調わないときは、家庭裁判所が審判で定める(民法819条5項)。調停や審判の申立てがされていることで、離婚届を出す道もある(民法765条1項2号、戸籍法76条)。
- 親権者を定めた後でも、子の利益のため必要があるときは、家庭裁判所が親権者を変更できる(民法819条6項)。
- 親権者の変更の判断では、協議の経過、その後の事情の変更、暴力等の有無、調停の利用、公正証書の作成の有無などが考慮される(同条8項)。
- 子の監護に関する定め(監護者、費用分担、交流)は、家庭裁判所が変更できる(民法766条3項)。
ここから言えるのは、協議書や公正証書は、協議の内容を示す重要な資料であり、後で見直されるときにも参照されるものですが、家庭裁判所の判断を固定する効力は持たない、ということです。協議書に「将来、親権者を変更しない」と書いても、民法819条6項の家庭裁判所の権限を排除することはできません。また、「親権を放棄する」「親権の行使を一切しない」と書いても、書いた文言のとおりに効力が認められるとは限らず、実際の子の利益の観点から判断されます。
共同親権を選ぶ場合は、離婚後の夫婦の関係が長く続くことを前提にします。親権者の協議は、子が成年に達するまで続くので、連絡の仕組みが機能しなくなったときに備えて、調停などの手順を置いておく必要があります。また、父母は婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使や義務の履行に関して、互いに人格を尊重し協力しなければならないとされています(民法817条の12第2項)。協議書の前文や連絡の条項に、この趣旨を書き込む方法もあります。
暴力等が背景にある場合、協議が困難な場合の注意
夫婦の間に暴力等があった場合、またはそのおそれがある場合には、共同して親権を行うことが難しいと認められる場合があります(民法819条7項2号)。このようなときは、夫婦だけで協議書を作ることが、そもそも難しい状況です。協議離婚は、双方の自由な意思に基づく合意が前提ですので、一方が他方の言動を恐れて合意しているような状況では、協議書の内容に疑問が残ります。
このページが扱えるのは、条文の整理にとどまります。協議で親権者が決まらない、または協議をすることができない場合には、家庭裁判所が親権者を定める手続が用意されています(民法819条5項、765条1項2号)。協議書の作成は、協議が成り立つ場合に使う手段であり、無理に協議書をまとめる必要はありません。
親権の定めで起きがちなこと
親権条項を書く前の確認
- 親権者を「双方」とするか「一方」とするか、決めた理由を夫婦で共有したか。
- 「双方」とする場合に、協議する事項と、単独でできる日常の行為の線引きを書いたか。
- 意見が分かれたときの手順(調停の申立てなど)を書いたか。
- 子の居所(主として生活する家)と、変更の事前の知らせ方を書いたか。
- 離婚届の親権者の欄と、協議書の親権者が一致しているか。
- 親権の条項と、養育費・面会交流の条項が、お互いの取引の条件のようになっていないか。
- 施行前に離婚した場合の扱いなど、経過措置に関わる事項がある場合は、附則と所管官庁の資料で確認したか。
起きがちなこと
- 「親権は共同とする」とだけ書き、日常の行為と重要な事項の線引きがないため、通院や進学のたびに連絡が取れなくなり、決定が遅れた。
- 親権を共同にする代わりに養育費を減額するなど、親権と金銭を取引の条件にしてしまい、後に子の事情が変わっても、見直しの根拠が分からなくなった。
- 親権者を「一方」と定め、他方には何も書かなかったため、学校・医療機関からの情報が届かず、子の様子が分からなくなった。
- 協議書の親権者が離婚届の記載と食い違い、離婚届が受理されなかった。
- 居所の変更を事前に知らせる条項がなく、一方が子と転居したあと、面会の方法の取り決めが実行できなくなった。
- 意見が分かれたときの手順がなく、重要な決定が長期間、保留のまま子の生活に影響した。
- 暴力等のおそれがある状況で、「共同にしないと離婚に応じない」と求められて、不本意なまま協議書に署名した。
よくあるご質問
協議離婚でも、離婚後に父母の双方が親権者になれますか。
はい。民法819条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方または一方を親権者と定めると規定しています。2026年4月に施行された改正で、双方を親権者とする選択肢が条文に表れています。ただし、協議が調わないときや、家庭裁判所が判断する場面では、民法819条7項の基準により、一方としなければならない場合があります。
共同親権になったら、子に関することは全部二人で決めなければならないのですか。
いいえ。親権は父母が共同して行うのが原則ですが、監護および教育に関する日常の行為は、双方が親権者であっても単独でできます(民法824条の2第2項)。また、子の利益のため急迫の事情があるときは、一方が行えます(同条1項ただし書3号)。どこまでが日常の行為かは条文に列挙されていないため、協議書に夫婦で線引きを書いておくと運用しやすくなります。
協議書に親権者を書いたら、あとから変更できませんか。
変更できる場合があります。子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所が、子またはその親族の請求によって親権者を変更できます(民法819条6項)。協議書に「変更しない」と書いても、この権限は排除できません。変更の判断では、協議の経過や公正証書の作成の有無なども勘案されます(同条8項)。
親権者と監護者を別々の人にすることはできますか。
民法766条1項は、離婚のときに、子の監護をすべき者または子の監護の分掌を協議で定めるとしており、親権者と別に監護者を定めることも条文上は想定されています。ただし、決定する人と日常の世話をする人が分かれるため、役割分担を協議書に具体的に書かないと、運用が難しくなります。
夫婦の間に暴力があった場合も、共同親権にする協議書を作れますか。
民法819条7項は、家庭裁判所が親権者を定める場合に、父母の一方が他方から暴力等を受けるおそれの有無などを考慮して、共同して親権を行うことが困難と認められるときは、一方を親権者と定めなければならないとしています。協議が成り立たない事情がある場合は、家庭裁判所の手続が用意されています(民法819条5項)。協議書だけで決めることを前提にしない場面です。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の協議書への当てはめは、夫婦の事情や子の状況によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の夫婦や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 法務省 / 裁判所 / 日本年金機構