このページの要点
- 条文上の言葉は「父又は母と子との交流」。子の利益を最も優先して考慮して定める(民法766条1項)。
- 回数よりも、日時を決める手順、連絡の期限と方法、受け渡し、中止時に代わりの日を示す義務を書く。
- 子の年齢と意思に応じて見直す入口を置く。家庭裁判所も子の意思を把握し考慮する(家事事件手続法65条)。
- 公正証書に執行認諾文言を付けても、面会交流の実施そのものは強制できない。養育費など金銭の条件と結びつけて書かない。
結論:面会交流は「回数」より、連絡・場所・変更の手順を書いたほうが動く
面会交流とは、離れて暮らす親と子が会ったり、連絡を取ったりして交流することです。法律の条文には「面会交流」という言葉そのものは出てきません。民法766条1項は、父母が協議上の離婚をするときは、「父又は母と子との交流」その他の子の監護について必要な事項を協議で定めるものとし、その際は子の利益を最も優先して考慮しなければならない、と定めています。協議書の面会交流の条項は、この規定が求める協議の結果を書面にするものです。
面会交流の条項は、月に何回会うかという数字から決めたくなります。しかし、実際に面会が続くか、途絶えるかは、回数の数字よりも、次のような運用面の書き方で決まることが多いものです。
- 会う日をどうやって決めるのか(毎回の調整か、あらかじめの曜日指定か)。
- 連絡は誰が誰に、どの方法で、いつまでにするのか。
- 子の受け渡しを、どこで、どちらが行うのか。
- 体調不良や学校行事で予定が変わるとき、どう連絡して代わりの日を決めるのか。
- 子が成長して、友人関係や部活動で予定が合わなくなったとき、内容を見直す入口があるのか。
このページでは、これらを順に取り上げ、条文例を添えて整理します。あわせて、「面会交流を一切しない」といった事前の合意が持つ限界、守られないときに使える手続の違いも説明します。養育費との関係は養育費の決め方のページ、親権や監護者の定め方は親権・共同親権のページに分けて書いています。協議書全体の項目の並べ方は協議書の書き方の全体像を参照してください。
最初に、前提となる考え方を一つ確認しておきます。面会交流は、親の権利という面だけでなく、子の利益のために行うものとして位置づけられています(民法766条1項の「子の利益を最も優先して考慮」)。したがって、条項を作るときの出発点は「親がどれだけ会いたいか」「同居親がどこまで認められるか」ではなく、「子にとって無理のない形は何か」です。
面会交流に関わる条文:離婚時、別居中、そして親族との交流
面会交流に関わる主な条文
民法766条1項
父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項を協議で定める。子の利益を最も優先して考慮する。
民法766条2項・3項
協議が調わないとき、又は協議ができないときは家庭裁判所が定める。必要があると認めるときは、家庭裁判所は既に定めた内容を変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。
民法817条の12第2項
父母は、婚姻関係の有無にかかわらず、子に関する権利の行使や義務の履行について、子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならない。
民法817条の13
離婚時の766条の場合のほか、子と別居する父又は母その他の親族と子との交流について必要な事項は、父母の協議で定める(別居中の場合など)。協議が調わないときは家庭裁判所が定める。
民法766条の2
家庭裁判所は、子の利益のため特に必要があると認めるときは、父母以外の親族と子との交流を実施する旨を定めることができる。
家事事件手続法65条
家庭裁判所は、子がその結果により影響を受ける手続では、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法で子の意思を把握するよう努め、子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮しなければならない。
条文は e-Gov 法令検索で、現行の規定を確認しています。
条文から読み取れることは三つあります。第一に、離婚の際に父母が協議で定める事項として、「父又は母と子との交流」が明示されている点です。協議書に面会交流の条項を置かなくても離婚自体は成立しますが、条項を置かなかった場合は、協議の対象を後回しにしたことになり、後で定める必要が生じます。第二に、定めた内容は、家庭裁判所が必要と認めれば変更される可能性がある点です(民法766条3項)。「一度決めたら変えられない」という約束は、法律の仕組み上、完全には成立しません。第三に、子の意思や年齢が考慮される点です。家事事件手続法65条は、家庭裁判所が子の意思を把握するよう努めることを定めており、子の年齢や発達に応じて、協議書の内容も見直されていくことを前提に考える必要があります。
民法766条の2は、祖父母などの父母以外の親族と子との交流について、家庭裁判所が審判で定める道を設けています。協議書で取り決められるのは、あくまで父母の間の約束です。親族の交流を協議書に書くことは、父母の間で、親族と子の交流の機会を妨げないよう協力する、という内容にとどまります。親族本人に法的な権利を与えたり、義務を課したりするものではありません。
頻度・日時・場所・受け渡し:具体的に書くほど、あとの運用が楽になる
面会交流の条項の骨格は、「いつ」「どこで」「どれくらい」「誰が受け渡すか」です。ここで悩むのは、細かく書くほど安心だが、細かく書きすぎると守れなくなる、というバランスです。書き方は、次の二つの型に大きく分かれます。
面会交流の定め方の二つの型
| 型 | 内容 | 向いている場面と注意 |
|---|---|---|
| 定型型 | 月に○回、毎月第○土曜日の午前○時から午後○時まで、など、日時を固定する。 | 双方の生活が安定していて、予定を立てやすい場合。子の都合や急な変更に対応する手順も併せて書かないと、守れないときに行き詰まる。 |
| 協議型 | 月に○回を目安に、事前に連絡のうえ、都度協議して日時と場所を定める。 | 子の年齢が低い、または双方の予定が流動的な場合。「協議して決める」だけだと、決まらないまま時間が過ぎることがあるため、連絡の期限や手段を併せて書く。 |
| 併用型 | 基本の頻度(目安)を書き、具体的な日時は毎回の事前協議で決める。 | 定型型の確実さと協議型の柔軟さを両立しやすい。協議が調わないときのための、基準日(例えば毎月第○週の週末)を置くと運用が安定する。 |
受け渡しは、見落とされやすいポイントです。子を迎えに行くのは誰か、返すのは誰か、場所はどこか(自宅の前か、駅や公共の場所か)、遅れるときの連絡はどうするのか。これらが決まっていないと、面会交流の日に、実際に会うまでにやり取りが生じて、そこで摩擦が起きます。関係が緊張している場合には、当事者が直接顔を合わせずに受け渡しをする方法(子の通う施設や、第三者の立会いなど)を書いておくこともあります。
宿泊を伴う面会、長期休暇の過ごし方、誕生日や行事への参加といった点も、条項にするかどうかを決める項目です。「宿泊を伴う面会を認める」と書くのか、「子の年齢や状況に応じて協議する」と書くのかで、運用の幅が変わります。子が幼いうちは日帰りから始め、年齢に応じて拡大する、と段階を書く方法もあります。
面会交流の条項に入れる実務項目
頻度の目安
月に○回、年に○回など。目安であることを書くか、固定するかを決める。
日時の決め方
毎回協議か、曜日・時間帯をあらかじめ指定するか。
場所と受け渡し
会う場所、子を引き渡す場所、迎え・送りの担当、遅れるときの連絡。
連絡の方法
電話、電子メール、メッセージアプリなど。連絡する期限(予定の○日前まで)。
費用
交通費、飲食費などを、誰が負担するか。
宿泊・長期休暇
認めるか、認める場合の条件(子の年齢、事前の連絡)。
同伴者
第三者(交際相手、親族など)の同席を認めるか、事前連絡を要するか。
条文例第○条(面会交流)
- 乙は、子と離れて暮らす甲に対し、子の福祉に配慮して、月に○回を目安として、甲と子との面会交流を実施させる。
- 面会交流の具体的な日時、場所及び子の受け渡しの方法は、甲と乙が、実施予定日の○日前までに、書面又は電磁的方法により連絡して協議して定める。
- 甲と乙は、前項の協議に当たり、子の年齢、健康状態、学校その他の行事、子の意向を尊重する。
- 甲は、面会交流の日に、子を約束の時刻までに乙のもとへ送り届ける。
条文例は一般的な書き方の例です。数値は○と伏せています。誰が甲で誰が乙かは、協議書の冒頭の定義に従います。
キャンセル・変更・オンライン交流:予定が崩れたときの決まりを先に書く
面会交流が途絶える原因として多いのは、一度の中止から、次の日程が決まらなくなる流れです。子の発熱、学校行事、仕事の都合、天候など、中止の理由はさまざまですが、中止そのものより、「中止の連絡」と「代わりの日を決めること」が決まっていないために、関係がこじれます。
書き方の例(一般的な例) キャンセル・変更・オンライン
中止の連絡
理由「早めに」は人によって意味が違う。期限を決めておくと、連絡があったかどうかの争いが減る。
代わりの日
理由代わりの日が決まらないまま流れていくのが、面会が途絶える典型的な経過。候補日を示す義務を書いておく。
オンライン交流
理由オンライン交流は、遠方に住む場合や、直接の面会が難しい期間の補完になる。時間帯と頻度を書かないと、頻繁すぎる、逆に連絡が取れない、のどちらにもなる。
オンライン交流は、直接の面会の代わりではなく、補完として位置づけると運用しやすくなります。子が小さいうちは画面越しの交流に集中しにくいことがあり、年齢が上がるにつれて、子自身がメッセージアプリで連絡を取りたがることもあります。子が自分の連絡手段を持つようになったときの扱いを、「子の年齢に応じて協議する」と書いておくと、条項が実態に追いつきます。
子の年齢と意思:成長に合わせて見直す仕組みを入れる
面会交流は、数年、場合によっては十年以上続きます。子が幼児の頃に決めた内容が、小学校高学年や中学生になったときにそのまま続くことは稀です。部活動や友人関係で予定が埋まり、子自身が会う日程を調整したがることもあります。そのため、条項に、子の成長に応じて見直す仕組みを入れておくのが実務的です。
成長に合わせた見直しの一例(一般的な整理)
- 乳幼児期短時間・日帰り・同居親の立会いや近距離での受け渡しから始める。頻度は、子の生活リズムを優先。
- 就学期宿泊や長期休暇の利用を段階的に検討。学校行事や習い事の予定と調整。
- 思春期以降子自身の意向や予定を尊重する。連絡手段の直接化、頻度の柔軟化を協議。
年齢の区切りは目安です。子の発達や状況は一人ひとり異なるため、条項では「子の年齢及び発達の程度に応じて」と書く方法がよく使われます。
子の意思をどう扱うかは、難しい論点です。子が会いたくないと言ったときに、それを理由に面会をやめてよいのか。条文の上では、家庭裁判所は子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮するとされています(家事事件手続法65条)。協議書では、「子の意思を尊重する」とだけ書くと、子の発言が同居親の影響を受けていないか、といった争いの入口になります。「子が面会に消極的な様子を示したときは、双方が子の気持ちを聞いたうえで、実施の方法や頻度について協議する」と、協議の手順として書くと、一方的な中止の理由とされにくくなります。
確認の問い見直しの条項を書く前の確認の問い
見直しのきっかけを、年齢で決めるか、事情の変化で決めるか。
年齢だけで区切ると、子の発達に合わないことがある。事情の変化(進学、転居、子の申出など)も併せて書く。
子の意向を聞く方法を決めているか。
親が代わりに聞くのか、子が直接伝えられる手段を残すのか。子の負担にならない方法を考える。
見直しの協議が調わないときの道を決めているか。
民法766条2項・3項に基づき、家庭裁判所に調停などを申し立てられる。協議書に合意管轄の家庭裁判所を書く方法もある(家事事件手続法245条1項)。
見直し条項は、面会交流を続けることを前提に、続け方を調整するための仕組みです。
「会わない」と先に決める条項の限界
離婚の際に、感情の整理がつかず、「今後は一切面会交流を行わない」「子に連絡しない」といった条項を置こうとする場面があります。このような取り決めには、法律上の限界があります。
民法766条1項が面会交流を含む事項を協議で定めるに当たって「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と定めている以上、子の利益に反する内容は、協議書に書かれていても、そのまま通用するとは限りません。また、同条3項により、家庭裁判所は必要があれば既に定めた内容を変更できます。そのため、「会わない」と書いてあっても、後に子の利益のために面会交流を求める手続が認められる余地があります。逆に、「必ず毎月会わせる」と書いても、子の状況によっては、実施方法の変更が認められる余地があります。どちらも、協議書の条項が絶対の効力を持つわけではありません。
協議書の作り方としては、現時点の気持ちで一切を決め切るのではなく、「現在の事情を踏まえた当面の取り決め」と「将来の見直しの入口」を分けて書くのが現実的です。たとえば、当面は間接的な交流(手紙や写真の共有)に限り、一定期間後に直接の面会の可否を協議する、といった段階を置く書き方があります。
書き方の例(一般的な例) 会わない旨の条項
面会交流の否定
理由「一切しない」は、子の利益を最優先する民法766条1項の趣旨や、家庭裁判所による変更の可能性(同3項)と合わない。当面の方法と、見直しの時期を書くほうが、実際に維持しやすい。
面会交流と他の条件の結びつけ
理由面会交流は子の利益のために定めるものと位置づけられるため、養育費の支払の対価のように結びつけると、条項の趣旨と合わなくなる。
暴力や心身への害悪のおそれがある事案では、前提が変わります。民法819条7項は、家庭裁判所が親権者を判断するときに、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるときや、父母の一方が他方から暴力等を受けるおそれがあり共同して親権を行うことが困難であると認められるときには、父母の一方を親権者と定めなければならない旨を定めています。面会交流は親権の問題とは別ですが、安全に不安がある場合は、当事者同士が直接やり取りすることを前提にした書き方そのものを見直す必要があります。受け渡し場所を公共の場にする、直接の連絡を避けられる手段を選ぶなど、安全を最優先にした書き方になるよう、条項を設計します。
約束が守られないとき:使える手段と限界
面会交流の約束が守られなかったとき、実際に使える手段は、書面の種類によって変わります。
面会交流が守られないときの手段
| 書面・手続 | できること | 注意 |
|---|---|---|
| 協議書(私文書)・公正証書 | 当事者間で話し合う。それでも調わなければ、家庭裁判所に調停を申し立てる(民法766条2項・3項)。 | 面会交流は金銭の支払ではないので、公正証書に執行認諾文言を付けても、面会交流そのものの強制執行はできない(民事執行法22条5号は金銭等の一定の額の支払などが対象)。 |
| 調停・審判で定めた場合 | 家庭裁判所による履行状況の調査・履行の勧告が使える(家事事件手続法289条。調停で定められた義務にも同条7項で準用)。 | 勧告には強制力がない。実現の手段や、間接強制が認められるかは、定めた内容がどこまで具体的に特定されているかなどによって変わり得るため、条文と裁判所の資料で確認が必要。 |
| 面会交流の不履行に伴う金銭の取り決め | 「不履行の場合に違約金を支払う」と書く方法がある。 | 面会交流の実施を金銭で担保する設計は、子の利益に反しないかが問題になる。条項の趣旨や運用を慎重に考える。 |
表の一行目で押さえておきたいのは、公正証書にして執行認諾文言を付けても、面会交流の実施そのものを強制する効果は得られないという点です。養育費のような金銭の条項は公正証書にすることで強く機能しますが、面会交流は、当事者の協力が続くことを前提にした運用の仕組みを整えることが中心になります。そのため、連絡の方法、変更の手順、見直しの入口を、協議書の中でしっかり書いておくことに価値があります。
家庭裁判所の調停を使う場合は、調停の申立先として、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所のほか、当事者が合意で定める家庭裁判所も認められています(家事事件手続法245条1項)。協議書に合意管轄を書いておくと、遠方に引っ越した場合にも申立先が分かりやすくなります。調停が成立すると、その記載は確定判決と同一の効力を有するとされています(同法268条1項)。
書面にする前のチェックと、起きがちなこと
面会交流の条項を書面にする前のチェックリスト
- 頻度の目安と、日時・場所を決める手順(誰が、いつまでに、どの方法で連絡するか)が書かれているか。
- 子の受け渡しの方法(場所、担当、遅れるときの連絡)が書かれているか。
- 中止・変更の連絡の期限と、代わりの日を示す手順が書かれているか。
- オンライン交流を認めるなら、頻度と時間帯の目安が書かれているか。
- 子の年齢や状況に応じた見直しの入口があり、見直しの協議が調わないときの道が分かるか。
- 面会交流を養育費などの金銭の条件と結びつけていないか。
- 「一切会わない」「必ず毎月会わせる」のような、絶対的な書き方になっていないか。
- 安全上の不安がある場合、直接のやり取りを前提にしない書き方になっているか。
面会交流の条項で起きがちなこと
- 回数だけを決めて、日時を決める手順や連絡方法を書かなかったため、最初の面会の日程が決まらない。
- 一度の中止のあと、代わりの日が決まらず、そのまま面会が途絶える。
- 子が成長しても、幼い頃の内容のまま続け、子自身の予定や意向と合わなくなる。
- 感情が高ぶっているときに「一切会わない」と書き、数年後に子の気持ちが変わっても、見直しの入口がない。
- 養育費が遅れたことを理由に面会を止め、かえって双方の関係が悪化する。
- 公正証書にすれば面会も強制できると誤解して、運用の仕組みを書かないままにする。
面会交流は、書面が完成した日ではなく、最初の面会の日から始まります。条項は、その日をスムーズに迎えるための道具であり、数年後に子の成長に合わせて調整するための土台でもあります。養育費が止まったときの手続は養育費が止まったときの備えのページで、書面にした後に起きることは協議書を作った後に起きることのページで整理しています。
よくあるご質問
面会交流は、離婚の協議書に必ず書かなければなりませんか?
民法766条1項は、協議上の離婚をするときに「父又は母と子との交流」などを協議で定めるとしています。書面に残すことが離婚届の受理要件になっているわけではありませんが、協議書に何も書かないと、後で定める必要が生じ、その時点で食い違いが起きやすくなります。当面の方針だけでも書いておくのが一般的です。
面会交流の回数は、月に何回にすればよいですか?
法律に決まった回数はありません。子の年齢、双方の距離、生活のリズムによって変わります。回数の数字よりも、日時を決める手順、連絡の期限、変更の手順、見直しの入口を書いたほうが、実際には運用が続きます。目安として書くのか、固定するのかも決めておきます。
「面会交流を一切しない」と協議書に書いたら、それで確定しますか?
確定するとは限りません。民法766条1項は子の利益を最も優先して考慮するとしており、同条3項により、家庭裁判所は必要があると認めるときに定めを変更できます。当面の方法と、見直しの時期を分けて書くほうが、現実に維持しやすい書き方です。
公正証書にすれば、面会交流の約束を強制できますか?
できません。公正証書に執行認諾文言を付けて債務名義になるのは、金銭の一定の額の支払などを目的とする請求です(民事執行法22条5号)。面会交流の実施そのものは対象外です。調停・審判で定めた場合には、家庭裁判所の履行勧告の制度があります(家事事件手続法289条)が、強制力はありません。
養育費を払わない相手には、面会交流を拒んでよいですか?
面会交流と養育費は、それぞれ別に定めて履行するものと考えるのが基本です。面会交流は子の利益のために定めるもので、養育費の対価のように結びつけると、民法766条1項の趣旨と合わなくなります。養育費の不払いには、強制執行などの別の手続で対応します。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の協議書への当てはめは、夫婦の事情や子の状況によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の夫婦や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 法務省 / 裁判所 / 日本年金機構