離婚協議書の書き方:決める項目、順序、書面の形

離婚協議書は、離婚の合意と離婚後の約束を一つの書面にまとめるものです。何を入れ、何を後で協議し、何を請求しないと決めるのかを、書面から読み取れるようにします。項目の全体図、離婚届との前後関係、署名押印、公正証書にする前提の書き方を整理します。

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「別途協議する」と書いたまま、期限も手順も行き先も書かない協議書は、離婚してから動かなくなります。

このページの要点

  • 協議書は証拠として残すための書面で、それだけでは差押えはできない。強制の手段は別に考える。
  • 離婚は届出が受理された時に成立する。協議書には、離婚届の提出者・期限と、各条項の効力の始期を書く。
  • 後で協議する項目は、期限・手順・まとまらないときの行き先まで書いて、はじめて協議書の一部になる。
  • 金銭の支払は、額・期日・支払先を特定する。公正証書にする前提なら、書き方が曖昧では執行の根拠にならない。

結論:離婚協議書は、離婚後の約束を動かすための書面として組み立てる

離婚協議書とは、離婚をする夫婦が、離婚そのものの合意と、離婚に伴う条件(子のこと、お金のこと、氏や戸籍のこと)を書面にまとめたものです。法律上は、夫婦が話し合いで離婚できること(民法763条)と、契約の内容は法令の制限内で当事者が自由に決められること(民法521条2項)が土台になっています。協議書という名前の書式が法律で決まっているわけではなく、どんな項目を入れるか、どんな順に書くかは、夫婦が決めます。

ただし、自由に書けるからこそ、書き方を間違えると、離婚した後に動かない書面になります。典型は次の三つです。

  1. 離婚届の提出と協議書の約束の順序が書かれておらず、離婚が成立する前の約束なのか後の約束なのかが読み取れない。
  2. 金額だけが書かれ、いつ・どの口座へ・いつまで払うのか、遅れたらどうなるのかがない。
  3. 「後で話し合う」と書いたまま、誰がいつまでに何を提案するのかも、話し合いがまとまらないときの行き先もない。

このページでは、個別の項目に入る前に、協議書全体をどういう順序で組み立てるかを整理します。項目ごとの詳しい書き方は、親権は親権・共同親権のページ、養育費は養育費の決め方のページ、財産分与は財産分与のページに分けてあります。協議書を公正証書にする場合の考え方は協議書と公正証書の違いのページで扱います。

最初に押さえておきたいのは、協議書を作る目的です。協議書は、夫婦の間の約束を「証拠として残す」ことと、「実行の手順を共有する」ことの二つの役目を持ちます。署名押印のある書面があれば、後で「そんな約束はしていない」と言われたときに、合意の内容を示す資料になります(民事訴訟法228条4項は、私文書は本人の署名または押印があるときは真正に成立したものと推定すると定めています)。他方で、協議書があるだけでは、相手が払わなくなったときに直ちに差押えができるわけではありません。履行を強制するには、原則として判決などの債務名義が必要です(民法414条、民事執行法22条)。この差は、後のページで繰り返し出てきます。

協議書に入れる項目の全体図と、決める順序

離婚協議書に入れ得る項目を、種類ごとに並べると次のようになります。すべてを入れなければならないわけではありません。子がいない夫婦なら親権・養育費・面会交流の項目は不要ですし、分け合う財産がほとんどなければ財産分与は短く済みます。大切なのは、「入れない項目」を意識して選ぶことです。入れなかった項目は、離婚後に話し合いで決めるのか、すでに決着がついているのか、そもそも請求しない意思なのかが、書面から読めるようにしておきます。

離婚協議書に入れ得る項目

離婚の合意・離婚届

離婚の合意と、届出書を誰がいつまでに提出するか。

民法763条・764条

親権者・監護者

未成年の子がいる場合の親権者(双方または一方)と、監護をする人。

民法765条・766条・819条

養育費

額、始期と終期、支払日、口座、増減の手順、特別の費用。

民法766条

面会交流

父または母と子との交流の頻度・方法・連絡・変更の手順。

民法766条

財産分与

対象財産、基準日、分け方、支払の方法と期限。

民法768条

住居・住宅ローン

住み続けるか売るか、ローンの負担、売却代金の使い道。

民法768条ほか

年金分割

按分割合の合意。請求できる期間の確認。

厚生年金保険法78条の2

慰謝料・解決金

額、支払方法、分割の場合の期限の利益と遅延損害金。

民法709条ほか

氏・戸籍

離婚後に称する氏、子の氏と戸籍。

民法767条・791条

清算条項

この協議書に定めたほか、互いに債権債務がないことの確認。

民法521条

連絡先の変更

住所・口座・勤務先が変わったときの通知。

管轄・協議条項

解釈に争いが出たときの協議と、家庭裁判所の管轄。

家事事件手続法245条

「根拠条文」の欄は、その項目の土台になる主な条文の例です。各項目は別のページで条文ごとに掘り下げます。

決める順序は、「子に関すること」から「お金のこと」へ進むのが一つの目安です。理由は二つあります。第一に、未成年の子がいる夫婦では、親権者の定め(または親権者の指定を求める家事審判・調停の申立て)がなければ届出が受理されません(民法765条1項、戸籍法76条1号)。親権者の定めは、協議書の他の項目より先に決まっていなければならない事項です。第二に、養育費や面会交流は、子の利益を最も優先して考慮して定めるものとされており(民法766条1項)、夫婦の間のお金の取り決めと取引の材料にしてはいけない項目だからです。親権や面会の話を後回しにして、財産分与との差し引きで決めようとすると、書面に書いた内容が子の利益の観点から見直されやすくなります。

協議書づくりの順序の例

  1. 1 事実を揃える婚姻した日、子の生年月日、財産の一覧(預貯金・保険・有価証券・車・不動産・負債)、収入の資料を、夫婦それぞれが出して照合します。
  2. 2 子に関することを決める親権者、監護者、養育費、面会交流。離婚届に書く事項から先に固めます。
  3. 3 お金のことを決める財産分与、住居とローン、慰謝料や解決金、年金分割。互いに相殺するもの、別々に払うものを分けて書きます。
  4. 4 氏と戸籍を決める離婚後の氏、子の氏の扱い、戸籍をどうするかを確認します。
  5. 5 離婚届と協議書の前後関係を書く離婚届の提出者・期限と、効力が離婚の成立を前提とする条項かどうかを整理します。
  6. 6 案を作り、全項目を読み合わせる定義語、金額と期日、口座、通数、署名欄を確認し、書いていない項目を「書かない」と決めたことを共有します。
  7. 7 署名押印し、保管する通数と保管者を決め、公正証書にする項目があれば、その案の整理に進みます。

冒頭の書き方:離婚の合意と離婚届の提出

協議書の第1条には、離婚の合意と離婚届の提出を書くのが一般的です。ここは一行で済ませがちですが、後の条項の効力がいつ始まるかを決める箇所なので、書き方に注意が必要です。

まず、協議離婚は、届出をすることによって効力が生じます。民法764条は、婚姻の届出に関する739条を協議上の離婚に準用しており、739条1項は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生ずるとしています。ですから、協議書に「離婚することに合意した」と書いただけでは、離婚は成立していません。離婚届が受理された時に離婚が成立する、という前提で条項を組み立てます。

次に、離婚届は、当事者双方および成年の証人二人以上が署名した書面でするものとされています(民法764条・739条2項)。協議書に署名した夫婦が、そのまま離婚届に署名しても、証人二人の署名が必要です。協議書自体には、法律上、証人の署名は要りません。

書き方としては、離婚届の提出について、誰が・いつまでに・どこへ出すかを決めておく例が多く見られます。「速やかに共同して提出する」とだけ書くと、「速やか」がいつなのかで食い違い、その間に届出が遅れ、財産分与や養育費の始期が曖昧になります。

書き方の例(一般的な例) 離婚届の提出

提出者と期限

よくある書き方夫婦は、本書作成後、速やかに離婚届を作成して提出する。
整えた書き方離婚届は○が記入のうえ署名し、○年○月○日までに○が市区町村の窓口へ提出する。提出後、受理されたことを互いに確認する。

理由「速やか」では期限が決まらず、届出が遅れたときに協議書の約束がいつから動くのかが読めなくなります。提出者と期限を決めると、遅れた場合の対応も書きやすくなります。

届出前の約束と届出後の約束

よくある書き方離婚に伴う条件は次のとおりとする。
整えた書き方第○条から第○条までの約束は、離婚届が受理された日から効力を生じる。ただし、離婚届の提出に関する約束と、届出が受理されるまでの間の約束は、本書作成の日から効力を生じる。

理由離婚の成立を前提にする約束と、届出の前から動かす約束を書き分けないと、離婚届が出される前に請求や支払をめぐって争いが生じます。民法127条1項は、停止条件付の法律行為は、条件が成就した時から効力を生ずると定めています。

離婚届の提出をめぐるもう一つの問題は、相手が一方的に離婚届を出してしまう場合や、反対に、提出に協力してもらえない場合です。戸籍法27条の2は、窓口に出頭した者が届出事件の本人であるかどうかを確認する措置を定め、届出事件の本人が窓口に出頭して届け出たことを確認できない者がいる場合は、届出を受理した後、遅滞なくその者に受理した旨を通知するものとしています。さらに、同条3項は、何人も、あらかじめ本籍地の市町村長に、自分が窓口に出頭して届け出たことを確認できない離婚などの届出は受理しないよう申し出ることができると定めています。離婚の意思がないのに届出が出されることを防ぐための手続の入口として、条文があることを知っておくと、協議書に「提出は双方が窓口で行う」と書く意味が分かりやすくなります。取扱いの細部は、各市区町村の窓口の案内で確認が必要です。

前文に、離婚に至った事情をどこまで書くかも、よく迷う点です。「不貞があったため」「性格が合わなくなったため」などの原因を詳しく書くと、後で原因をめぐる主張の食い違いが再燃しやすくなります。反対に、慰謝料を定める協議書では、何に対する支払なのかを特定するために、原因となった事実を一定の範囲で書く必要があります。原因を書くのは、慰謝料や解決金の条項の根拠として必要な範囲に限り、評価の言葉(「度重なる」「悪質」など)を避けて事実だけを書くのが無難です。この点は慰謝料・解決金・清算条項のページで、条項の書き分けとして扱います。

「決めないこと」を決める:後で協議する項目の書き方

夫婦の話し合いでは、期限までにまとまらない項目が出てきます。たとえば、不動産の売却時期、子の進学が決まってからの教育費、年金分割の按分割合などです。そのとき「別途協議する」と一行書いて終わりにする書面は、離婚してから争いの種になります。後で決める項目は、決めないままにするのではなく、「いつまでに、誰が、何を持ち寄って、どうまとまらなければどうするか」まで書いて、はじめて協議書の一部になります。

条文例第○条(別途協議する事項)

  1. 甲及び乙は、第○条に定める不動産の売却の時期及び方法について、本書作成の日から○か月以内に協議して定める。
  2. 前項の協議は、甲が売却の見積りの資料を乙に提示し、乙が提示を受けてから○日以内に意見を述べる方法で行う。
  3. 第1項の期間内に協議が調わないときは、甲及び乙は、家庭裁判所に調停を申し立てることができる。

協議の期限、協議の手順、まとまらないときの行き先の三つを書きます。調停の申立ては、離婚後の財産分与については民法768条2項の「協議に代わる処分」の請求が基になります。

ここで気をつけたいのは、「協議する」と書いた項目は、それだけでは請求権になっていない、という点です。協議が調わなければ、結局は家庭裁判所に判断してもらう手続を使うことになり、その間は誰も何も請求できません。財産分与について家庭裁判所に処分を求めることができるのは、離婚の時から5年以内です(民法768条2項ただし書)。協議書の中で「別途協議する」と書いた項目がこの期間の経過で救済を受けられなくなる場面もあるので、先送りにする項目ごとに、期限の意識を持っておく必要があります。

もう一つの考え方は、「決めない」ことを積極的に書く方法です。たとえば、養育費の額は離婚時の収入を前提に決めるが、双方の収入が大きく変わったときは見直しを協議する、という書き方です。逆に、「年金分割は互いに請求しない」と書く場合は、請求しないという意思を書面に明示します。どちらも、「何も書いていない」状態とは違います。何も書いていない状態は、請求できるのかできないのかが、書面から読み取れません。

確認の問い項目ごとに、入れるか入れないかを確かめる問い

  1. この項目は、決着がついたのか、後で協議するのか、請求しないのか。

    三つのどれかを書面から読み取れるようにするためです。何も書かないと、後で「請求できる項目が残っていた」と主張される余地が残ります。

  2. 後で協議する項目に、期限と手順を書いたか。

    期限がないと、いつまでも協議が始まらず、その間に事情が変わります。

  3. 協議が調わなかったときの行き先(調停など)を書いたか。

    話し合いが止まったときに、次に何をするのかが決まっていないと、書面が動かなくなります。

  4. 請求しない項目を、「請求しない」と明示したか。

    後で請求する意思の有無をめぐる争いを避けるためです。ただし、子の養育費のように子の利益に関わる項目は、請求しないと書いても、後に家庭裁判所が子の利益の観点から定めを変更する余地が残ります(民法766条3項)。

署名・押印・日付・通数・保管:書面としての形を整える

協議書の内容が整ったら、書面としての形を確認します。署名は、本人が自筆で行うのが基本です。氏名の署名または押印があると、その書面は真正に成立したものと推定されます(民事訴訟法228条4項)。署名と押印の両方があれば、より安心です。印鑑は、実印であるほうが後の争いに強いのは確かですが、法律上、実印でなければならないという決まりはありません。印鑑証明書は、公正証書にするときの本人確認で使う場面があります(公証人法28条)。

日付は、署名した日を書きます。日付が空欄のまま署名押印すると、いつ成立した合意なのかが分からず、離婚届の前か後かという前後関係を書面から読み取れなくなります。住所は、現住所を書き、離婚後に住所が変わる予定があるときは、変更後の連絡先を知らせる条項(連絡先の変更の通知)を別に置きます。

通数は、当事者の数だけ作るのが一般的です。夫婦二人であれば2通作り、1通ずつ保管します。一人が原本を保管し、もう一人がコピーを持つ形にすると、原本の内容が後で書き換えられていないかを確認しにくくなります。公正証書にする場合は、原本は公証役場に保管され、当事者には正本や謄本が交付されます。この手続の流れは公正証書の手続のページで扱います。

署名押印の前の最終確認

  • 氏名・住所・生年月日が、本人確認書類と一致しているか。
  • 離婚届の提出者・期限が書かれ、それぞれの約束の効力の始期が読み取れるか。
  • 金額には、円の単位、支払日、口座(金融機関名・支店名・口座の種類・口座名義)が書かれているか。数字の桁を漢数字と算用数字で一致させたか。
  • 「別途協議する」と書いた項目すべてに、期限と手順と行き先があるか。
  • 定義した言葉(甲・乙、子、本件不動産など)が、最初に出てくる箇所で定義されているか。
  • 清算条項が、すでに決めた項目と、決めずに残した項目を区別して書いてあるか。
  • 空欄、日付の書き忘れ、訂正箇所の訂正印の漏れがないか。
  • 通数と、誰がどの通を保管するかを決めたか。

公正証書にする前提で書くとき、協議書の書き方がどう変わるか

離婚協議書をもとに、離婚給付等契約公正証書を作る夫婦は少なくありません。公証人が作る公正証書には、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述(いわゆる強制執行認諾の文言)を入れることができ、そのように作られた公正証書は執行証書として、金銭の一定の額の支払などを目的とする請求について、判決を取らずに強制執行の根拠になります(民事執行法22条5号)。そのため、金銭の支払に関する条項は、公正証書にする前提で書くと、協議書より厳密な書き方が求められます。

公正証書にする前提で書くときの注意点は三つあります。

  1. 一定の額の金銭の支払を書く条項は、金額、支払日、支払先が特定できるように書く。「相当額」「協議の上で決める額」のような書き方では、執行の根拠にならない。
  2. 物の引渡し、不動産の名義変更、面会交流のような、金銭の支払ではない約束には、強制執行認諾文言を付けられない。公正証書にしても、これらの約束が自動的に強制できるようにはならない。
  3. 公証人は、法令に違反する事項や無効な行為について公正証書を作ることができない(公証人法26条)。違約金の定めが過大なとき、子の利益に反する定めが入っているときなどは、条項の見直しを求められることがある。

公正証書にする項目と、協議書にとどめる項目の選び方は協議書と公正証書の違い、費用や必要書類は公正証書の手続のページで、それぞれ別に扱います。ここでは、協議書を最初から一本の書面として完結させるのではなく、「公正証書にする項目」と「協議書のまま残す項目」を見分けながら下書きをすると、後の作業が少なくなる、という点を押さえておけば十分です。

書き方の例(一般的な例) 金銭の支払条項

養育費の書き方

よくある書き方甲は乙に対し、子の養育費を相当額支払う。
整えた書き方甲は乙に対し、子の養育費として、令和○年○月から、子が満○歳に達した後の最初の3月まで、毎月末日限り、1か月金○円を、乙の指定する口座に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。

理由額、始期、終期、支払日、支払先が特定されていないと、支払われなかったときに、何をいくら請求できるのかが書面から確定できません。公正証書にするときにも、このままでは強制執行認諾文言を付けられません。

財産分与の書き方

よくある書き方甲は、財産の全部を乙に渡す。
整えた書き方甲は乙に対し、財産分与として金○円を、令和○年○月○日限り、乙の指定する口座に振り込んで支払う。

理由「全部」の範囲が特定されていないと、何を渡し、何を渡さないのかが争いになります。金銭で清算する形にすると、金額と期日がはっきりします。財産を特定する書き方は財産分与のページで扱います。

協議書づくりで起きがちなこと

書面を作る段階で起きやすいことを、場面ごとに挙げます。協議書は、書いたときよりも、離婚から時間が経って事情が変わったときに読み返されるので、その読み手の立場で点検するのが役に立ちます。

起きがちなこと

  • 離婚届を出したあとで協議書の署名をしたため、協議書の日付が離婚の後になり、財産分与や養育費の始期の読み方が食い違った。
  • 「別途協議する」の項目が増えすぎて、協議書の大半が後回しの約束になり、離婚時点で決まっていることがほとんどなくなった。
  • 養育費の終期や面会交流の方法など、子に関する項目を、夫婦間の取引の材料にして簡単に書いたため、後に子の事情が変わって見直しが必要になったときに、基準が分からなくなった。
  • 協議書の口座が離婚後に解約され、通知の条項がなかったため、支払が滞った。
  • 公正証書にすると決めていたのに、協議書の金額が「相当額」のままだったため、公正証書の条項に直すのに時間がかかった。
  • 離婚届の提出を片方に任せたところ、記入内容の食い違いで受理されず、提出が遅れた。
  • 清算条項に「一切の債権債務がない」と書いたため、書かなかった項目(たとえば年金分割)も請求できないと読まれる不安が生じた。清算条項と個別項目の関係は、慰謝料・清算条項のページでも整理しています。
  • 協議書にある約束が守られなかったとき、どの手続に進めばよいかが分からなかった。段階的な対応は協議書を作った後のページでまとめています。

よくあるご質問

離婚協議書は、必ず作らなければならないものですか。

法律上、作る義務はありません。民法763条は、夫婦が協議で離婚できるとしているだけで、離婚届の提出によって離婚は成立します。ただし、未成年の子がいる場合の養育費や面会交流、財産分与、年金分割、慰謝料などを口頭の約束だけにすると、後で内容が争いになったときに示す資料がありません。書面にしておく意味は、約束の内容を証拠として残すことと、実行の手順を共有することにあります。

離婚協議書は、手書きでもパソコンで作ってもよいのですか。

どちらでも構いません。法律で書式が決まっているわけではありません。ただし、署名は自筆でするのが基本です。署名または押印があれば、書面は真正に成立したものと推定されます(民事訴訟法228条4項)。パソコンで作成した場合も、本文の末尾に署名欄を設け、日付、住所、氏名を自筆で書き、押印します。

協議書に離婚の理由を詳しく書くべきですか。

慰謝料や解決金を定める場合には、何に対する支払かを特定するために、原因となった事実を必要な範囲で書きます。そうでない場合は、離婚に至った経緯の詳細は書かず、「協議の結果、離婚することに合意した」と簡潔にする書き方が多く見られます。評価を含む言葉は、後の主張の食い違いのもとになるので避けます。

離婚協議書と離婚届は、どちらを先に出すのですか。

協議離婚は、離婚届が受理された時に成立します(民法764条・739条1項)。協議書は、離婚届を出す前に作っておくのが一般的ですが、前後関係を決めるのは夫婦です。協議書の中に、離婚届の提出者と期限、各条項の効力の始期を書いておくと、前後どちらでも読み方が揃います。氏や戸籍との順序は離婚届・氏・戸籍のページで扱います。

協議書を作ったあとで内容を変えたくなったら、どうすればよいですか。

夫婦の合意があれば、内容を変更する合意書を新たに作ることができます。原則として、元の協議書と変更の合意書の両方に、双方の署名と押印を残します。子の養育に関する事項は、事情が変わったときには家庭裁判所が定めを変更できます(民法766条3項)。公正証書にした場合の変更は、公証役場の手続が別途必要です。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の協議書への当てはめは、夫婦の事情や子の状況によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の夫婦や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 法務省 / 裁判所 / 日本年金機構

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